研究資金を獲得したら 使い方を考える
1.時代にあった研究費の使い方
平均配分額が減り続ける科研費
「科研費配分結果(文部科学省)」によると、平成16年度以降、科研費の1 課題あたりの平均配分額(新規+ 継続)は年率3%前後で減少。平成27年度は216万円と、10年間で約7割にまで減少。その他一旦持ち直すも、令和元年度に再度減少に転じています。その分採択数は増えていますが、これにより機器設備を導入しづらくなっている、という声も多く聞かれます。このような状況を鑑み、研究費の柔軟な利用を目的として、使用ルールが大きく変わってきています。限られた予算で最大の研究成果を上げる為に、是非知っておいて頂きたい内容です。
参考)文部科学省HP
1)リース・長期レンタルを活用する
月単位や年単位での支払いが可能なので、まとまった予算が獲得できるまで待つことなく、早期に必要な機器を導入できます。また多くの場合、動産保険が付保されており、故障や事故などによる予定外の大きな支出に悩まされずに済みます。
年度内~複数年度まで様々なプランがあり、予算額や助成期間にあわせて月々の支払額を調整できるため、研究スケジュールに合わせた計画が立てられます。
2)資金を合算して利用する
研究費使用の自由度向上と有効活用の為に、「科研費同士の合算使用」、「運営費交付金や委任経理金、その他の使途を制限されない競争的資金と科研費の合算使用」が可能です。
単独の研究資金では手の届かない高性能な機器も、他の資金とあわせれば導入できるかもしれません。
自分の資金でなくても合算できる為、資金を出し合って更にグレードの高い機器を導入することもできます。妥協せず、目的にあった機器設備を導入する為にも、ぜひ知っておきたい活用法です。
※合算利用の際の各種ルールの詳細については、所属研究機関の事務担当、または各競争的資金拠出機関にお尋ねください。
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